最新情報:開催報告・レポート

開催報告・レポート 2019年10月26日 09:43

秋の自然教室

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 10月20日(日)、御苑南西部の閑院宮邸跡前集合で秋の自然教室が開催されました。当日は天候にも恵まれ、過ごしやすい空気の中で自然観察を楽しみました。20191020I 13.JPG
 野鳥の解説では、御苑が野鳥の聖地であるという話題からスタートです。
マツが立ち並ぶ場所や、芝生の広がる開放地、クスノキが葉を繁らせ木陰を作る空間に、川原にも似た砂利道など…様々な環境が揃う御苑にはそれぞれの環境を好む昆虫が集まり、それらを食糧とする様々な野鳥がやってくるとの事。そして車が通らず分断されずに保たれる空間は、街中では珍しいとの内容でした。
 その後、水浴びするスズメや喉に食べ物を貯めたハシブトガラスを観察、水浴びの意義や野鳥の「貯食」について解説がありました。
(写真:喉がふくらんだ様子がわかるハシブトガラス)
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 きのこでは、前日の雨が幸いしてか多くの種類を観察できました。切り株にはアラゲキクラゲが、小さなものから大きなものまでたくさん発生。アラゲ(粗毛)の名の通り、白く見える部分には毛がたくさん生えています。水分をたっぷり含んだキクラゲは、まるで耳たぶの様な触感でした。「木耳」と表記する理由を、皆さん深く納得されたようです。
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 昆虫の塚本講師からは、野鳥の西台講師と共に14年間行ってきたアオバズクの食痕調査のお話を聞きました。アオバズクはカエルや小鳥なども食べますが、食糧の90%が昆虫であるとの事。そのため昆虫がいなくなる冬が近づくと、東南アジアに渡ってしまうとの事です。毎年発見される種もあれば、14年間で1度しか確認されていない種もあり、長年の研究ゆえに見えてくる昆虫の世界がありました。
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 植物はカジノキの解説からです。葉の形が一つでなく、切れ込みが入るものとそうでないものが同時に出ている様子を観察しました。葉の表面には毛が生え、古くは七夕の短冊として使われていたとの事。赤く熟した独特な形の実には、野鳥に食べて貰えるような工夫があるとのお話もありました。
 次に咲き始めて間もないジュウガツザクラの観察です。同じように冬に咲く、混同されがちな他種のサクラとの違いについて詳しい解説がありました。

  昆虫の谷講師の解説では出水の小川に移動し、水面に産卵するアキアカネを観察しました。トンボの産卵場所や方法は一つだけではなく、土の中、植物に産み付けるものなど種類によって様々で、産卵に適した環境が保たれないとその種類は姿を消してしまうとお話がありました。
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 解説の最中、参加者が「ヒナカマキリ」を見つけました。体長2cm程しかない小さなカマキリで、御苑でもなかなか出会えません。珍しい種だからと写真を撮っていると、講師の顔に飛び移るハプニングが!写真をご覧いただくと、このカマキリがいかに小さいかがおわかり頂けると思います。生きものとの出会いは一期一会、御苑が自然の宝庫である事を体験できた観察会でした。

 「京都御苑自然教室」は初心者向きの自然観察会として、一年に4回開催しています。次回は来年1月19日(日)の予定です。詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせしています。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

開催報告・レポート 2019年8月 7日 15:11

夏のトンボ池一般公開

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8月2日(金)~4日(日)の午前中、京都御苑のビオトープ【トンボ池】で一般公開が行われました。
連日暑さが続く中、夏休みの子どもたちの来場が多くありました。

池沿いに水際を間近に歩くと池の表面に大きなアメンボを発見したり、腹部の節が目盛のように見えるモノサシトンボを見つけることができました。
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今年は、トンボ池の周りのハンゲショウなどが少ないせいか、期待の大きなモリアオガエルが見当たりませんが、小さな個体が林地の朽木の周辺で多数見られました。
P1370630.jpgまた、子ども向けのワークショップで「ひらひらチョウチョ」を作成しました。アゲハチョウの型紙を色付けし、はさみで切った後、細い竹ひごにとめて仕上げます。色付けは難しい作業ではないので、小さなお子様から参加でき楽しい催しになりました。
小学校高学年になると、図鑑を参考にした本格的なチョウチョの色合いを再現したり、カラフルな色付けを工夫したり思い思いの作品が出来上がりました。
林地では、球状の頭部の穴から胞子を出すホコリタケを見つけた小学生もいました。
小さな池と雑木林のエリアは、多くの生きものの住み処になっていました。
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クロアゲハチョウ
P1370639.jpgスズメバチの標本を見る参加者
20190804u16.jpg産卵するヤブヤンマ
トンボ池では、スタンプラリーを開催しましたが、母と子の森文庫と閑院宮邸跡収納展示館の京都御苑ネイチャーランド~自然はともだち~展で8月31日までスタンプを押印できます。スタンプ2個集めるとかわいい絵葉書を贈呈いたします。是非お越しください。

開催報告・レポート 2019年7月26日 10:49

夏の自然教室

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 7月21日(日)、御苑東部の清和院御門集合で夏の自然教室が開催されました。梅雨明け前の蒸し暑い気候でしたが、蝉時雨の中御苑の昆虫、きのこ、野鳥、植物の観察を楽しみました。
 野鳥は、現在シーズンのヒナの巣立ちについての解説でした。巣立ち間もない鳥は満足に飛べず、地面に落ちる事もありますが、必ずそばに親鳥がいてヒナにアドバイスを与えているので、そのままにしておくようにとの事でした。このような時に人が誤って保護すると、結果として親子を引き離す事になってしまいます。ただし車が通る路上など、あきらかに危険な場所の場合は近くの安全な草地や樹木に移してあげて欲しいとのお話もありました。
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 雨の多いこの季節はきのこにとってはベストシーズンです。今回も自然発生のきのこにたくさん出会えました。
 弱っているマツを土に戻す働きをする「カイメンタケ」や、「クサハツ」の仲間を鏡を使って裏側から観察したり、「ツチカブリ」をカッターで切り、断面から乳液のような汁が出る様子を確認したりしました。
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 昆虫の谷講師はセミのお話です。「トンボはホバリングできるのに、セミはなぜできないのか?」など、本物のニイニイゼミを使った身体の構造の解説がありました。そんな中でもお子さま達はセミの抜け殻を次々と発見。続いて抜け殻のオス・メス見分けの説明となり、最終的には参加者全員が見分けられるようになりました。
 同じく塚本講師は「スズメバチと仲良くする」という解説テーマでした。スズメバチと遭遇した際には姿勢を低くして静かに離れること、また攻撃とみなされるので決して手で払ってはいけないとのお話でした。
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 特に「クロスズメバチ」は小さく、ハエと見間違える事例も多いので注意が必要との事でした。
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 植物ではナンキンハゼとメタセコイアがテーマでした。ナンキンハゼは黄色い雄花が開花中で、ヒメウラナミジャノメ等の昆虫が頻繁に訪れていました。先が細くて長い房状の花の形は雨の雫が地面に落ちやすい構造で、雨の多い地域に多いナンキンハゼにとって枝が折れにくいというメリットがあるとの事です。
 メタセコイアはかつて絶滅植物とされていましたが1946年に中国で現存が確認、のちアメリカの調査隊が苗を持ち帰って育成された一部が日本にも送られ増えていったとの事です。材としては脆く利用されませんが、成長が早いため緑化に役立つというお話等がありました。

「京都御苑自然教室」は初心者向きの自然観察会として、一年に4回開催しています。次回は10月20日(日)予定です。詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせしています。

 

 

 

 

 

 

 

 



 


 

 

開催報告・レポート 2019年6月 2日 09:00

令和元年 新緑のトンボ池一般公開

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 5月24日(金)~26日(日)の3日間、令和に入って初のトンボ池一般公開が行われました。トンボ池は1辺が16メートル程の正方形の人工池で、通常は自然保護と危険防止の為立入が制限されているビオトープです。
 この3日間は晴天に恵まれたものの気温は30℃を超え、5月とは思えない強い日差しの中での公開となりました。小さなお子さまや外国の方々を含め、3日間で500名以上の入場があり、トンボ池の豊かな自然と親しんで頂きました。
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 初日にはきのこの講師による解説の時間が設けられ、お散歩中の保育園児も飛び入り参加されました。サルノコシカケなどの硬質のきのこを見て触れた後、「次はきのこらしい形のきのこを見ましょう」と講師。園児がウラベニガサに指で触れると、柔らかいウラベニガサはポキンと折れてしまいました。硬いきのこに触れた後で、力加減が難しかったかもしれませんね。
 「折角なのできのこのカサの裏側を見てみましょう」と、講師より提案がありました。ウラベニガサの名の通り、ひっくりかえすとカサの裏側がほんのりと紅色でした。普段はなかなか見られない自然発生のきのこの裏側を、熱心に覗き込んでいました。 
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 そして、今年も森に住むカエル、モリアオガエルの卵塊が見られました。池の水面上に張り出した木の枝などに、数百個の卵が入った白い泡状の卵塊を産み付けます。公開中は5つの卵塊を確認、目の高さにあるエノキの枝にも産み付けられ、観察には最適でした。
 声はすれども姿は見えず。モリアオガエルの成体も見たい所ですが、保護色でかつ警戒心が強い為、人が近づくと鳴き止んでしまいます。そんな中、お客様が水面に顔を出すモリアオガエルを発見されました。どうやら、上陸したいけれど人が多いことで躊躇していた様子です。普段は閉鎖され人間が立ち入らない環境だからこそ、モリアオガエルは安心して毎年、産卵に訪れてくれるのかもしれません。
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 トンボ池ならではのトンボも姿を現しました。
池周辺でふわふわと細い身体で飛んでいるのがクロイトトンボ、そして池の上を力強く飛んでいたのはクロスジギンヤンマです。縄張り争いの為複数のオスが何度も旋回し、また水面近くでは産卵するメスの姿も見られました。  
(写真上:連結するクロイトトンボのオス、メス。左手前にも別のオス。
 写真下:産卵するクロスジギンヤンマのメス。)
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 ここ複数年に渡り、トンボ池にはウキクサが繁茂し水面の大部分を覆ってきましたが、2019年に入ってその数が減ってきました。昨年の公開時とは異なって水面が見えるようになり、本来の姿に近づいた印象です。
 今後この状態が続くか全くわかりませんが、環境の変化で観察される生きものにも変化が見られるかもしれません。是非、夏のトンボ池一般公開にも足をお運び下さい。

~夏のトンボ池一般公開~ 
 8月2日(金)、3日(土)、4日(日)  9:30~1200  
 詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせ
 致します。

 

 

  

 


 


 

 

 

 

 


 

開催報告・レポート 2019年4月24日 16:59

春の自然教室

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 4月21日(日)、御苑北西部・乾御門前集合で平成最後の自然教室が開催されました。気温が上がり、雲間から日が差すと初夏を思わせるような陽気でしたが、88名の皆様と共に御苑の植物、野鳥、昆虫、きのこの観察を楽しみました。

 植物はヤマグワ、緑色の花を咲かせるサクラの一種・御衣黄、そしてカンサイタンポポの解説でした。日本では現在、外来種のセイヨウタンポポが大半を占めるようになっていますが、ここ御苑では在来種のカンサイタンポポがほとんどです。「タンポポがなぜ地面にへばりついているのか?」「茎が立ち上がるのはどんな時か?」との解説に続き、「御苑でカンサイタンポポが多い理由」については、ここだけで聞ける話として皆さん興味深く耳を傾けておられました。
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  昆虫の塚本先生からはチョウやガとその名付けに関するお話でした。
モンシロチョウは本来ならモンクロチョウではないか?との指摘にハッ、と
する皆さん。その他、名前に込められた生きもの特性についてのお話でした。
時折周辺を舞うチョウを見て、お子様が積極的に質問する場面もありました。
 
 同じく谷先生からは、昆虫の身体についての基本知識に始まり、ハチの解説が中心でした。女王バチ、働きバチ、オスバチはどう産み分けられるかという生態の説明、そして全身の毛がモフモフとして人気のある「飛ぶぬいぐるみ」こと、マルハナバチの標本等を観察しました。
 解説中、付近のサクラの花にキムネクマバチが数頭現れました。苑内でしばしば目撃するハチの一種です。「キムネクマバチは滅多に人を刺しません。人間の事を「メスかな?」と思って寄ってくることがあるかもしれませんが、手で掴んだりしなければ大丈夫です。」との説明がありました。
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 きのこは、春を代表する3種(アミガサタケの仲間、オオセミタケ、ツバキキンカクチャワンタケ)の紹介がありました。網目模様が特徴的なトガリアミガサタケは、観察用に用意した本物を見る事が出来ました。オオセミタケは地中のセミの幼虫から発生する、いわゆる「冬虫夏草」の一種で、先生が準備した標本を観察。初めて参加したという女性は「セミの幼虫がきのこを食べるのかと思ったら、その逆なのですね」と大変驚いた様子。
 そして「きのこは還元者」という解説を聞いた別の女性は「きのこが木を土に戻すというお話が、とても興味深かった」との感想を話しておられました。

 野鳥の解説では、野鳥達の「ステップ」についてのお話がありました。地面で歩く野鳥(ハト、ハシボソガラス等)と、両足を揃えピョンピョンと飛ぶ野鳥(スズメ等)がいるのは、生活圏の違いによるものとの事でした。
 そんな中お子様がミミズを発見し、ミミズと野鳥の話題になりました。シロハラやツグミは地面で地団駄を踏むような動きをし、その音に驚いた地中のミミズは動きます。その気配を野鳥がキャッチし、ミミズを捕えるとの事です。

 ミミズは野鳥達の食べ物になると同時に、きのこと同様健康な土を作る存在として欠かせないものだと、自然のつながりに触れるお話もありました。
 

「京都御苑自然教室」は春夏秋冬、一年に4回開催しています。詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせしています。初心者向きの自然観察会ですので、お気軽に参加下さい。

 

 

 


 


 

開催報告・レポート 2019年1月26日 15:41

冬の自然教室

20190120 85.JPG 1月20日(日)、御苑北西部の乾御門前集合で冬の自然教室が開催されました。当日は朝から生憎の雨、途中から雨脚が強まりさらに冷え込みました。
冬の自然をリアルに感じつつ、この季節ならではの野鳥、植物、きのこ、昆虫の観察を皆様と共に楽しみました。
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 葉が落ち見通しが良くなる冬は、バードウォッチングには最適な季節です。降雨の中でも、10種類以上の野鳥を観察できました。
 アオゲラ(御苑ではやや珍しい、キツツキの一種)の目撃情報があり、まずキツツキの身体構造について説明がありました。長い舌の先がやじりのような形で粘着力があり、昆虫等を捕獲しやすくなっているとの事。また木を激しく突いても(1秒間に約20回)脳震盪を起こさない様、衝撃をうまく吸収する仕組みになっています。実際、ガラスに衝突して救護機関に運ばれてくる野鳥の中に、キツツキの仲間はいないそうです。
 その後、雨の中じっと佇むアオサギに遭遇。なぜ、濡れても平気なのか?野鳥の「防水対策」について、アオサギと他の種との違いも含めてお話がありました。
当日観察できた野鳥(2班合計):アオゲラ、アオサギ、アトリ、エナガ、シジュウカラ、シメ、ジョウビタキ(メス)、シロハラ、ヒヨドリ、メジロ等
20190120 (65).JPG 植物では、コブシの冬越しの様子を観察しました。枝先には白っぽくなめらかな毛で覆われた冬芽がついています。観察の為、落ち枝につく大きな冬芽を分解してみました。
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 毛の生えた表面部分を取り除くと、中から花びらや雄しべ等、花の元となる部分を確認できました。さらに枝を良く見ると、やや小さく色や毛の質感が異なる冬芽も発見。大きな冬芽との違いについても説明がありました。
 その他、見ごろのロウバイの花の構造や密生している理由について、ユーモア交じりにお話を頂きました。
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 きのこは「地下生菌」のお話がありました。「トリュフ」の様な「一生を地中で生きるきのこ」の仲間で、その特徴ゆえ専門家でもなかなか見つけられないそうです。地下生菌独特の胞子の拡散方法についての説明があった他、用意してあった実物を切り、珍しいきのこの断面を観察しました。
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 昆虫も越冬が主なテーマです。ハラビロカマキリの卵を観察したり、テントウムシに見られるような「集団越冬」について解説がありました。
 また、樹木の洞に越冬中のクチベニマイマイ(カタツムリ)を発見。「カタツムリは昆虫ではありませんが…」という言葉から「昆虫の定義は何か?」と話が発展。「クモも虫だと思っていた」という昆虫初心者にも納得の、わかりやすく楽しい解説をして頂きました。

 「京都御苑自然教室」は春夏秋冬、一年に4回開催しています。詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせしています。初心者向きの自然観察会ですので、お気軽に参加下さい。


  

 

 

 


 

  

 

 

 




 

 

開催報告・レポート 2018年11月23日 16:03

秋の自然教室

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 11月18日(日)、御苑南東部の富小路口集合で秋の自然教室が開催され、お子様も含めた合計62名の参加がありました。当日は秋晴れに恵まれて和やかな雰囲気の中、昆虫、きのこ、野鳥、植物の観察を楽しみました。
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 昆虫の観察では「外来生物」がテーマでした。在来生物や産業等への影響が問題視され久しいですが、外国から持ち込まれたもののみならず、在来生物でも生息していない地域に移動させられたものは「外来生物」となるそうです。紹介された外来生物の中には、あたかも在来のように身近で見られるものもあり、驚かれた参加者もおられました。
 特定外来生物として「クビアカツヤカミキリ」が挙げられました。サクラ、ウメ等バラ科樹木に寄生し枯らしてしまうカミキリムシで、大阪等周辺でも確認されています。御苑では未確認ですが、いつ京都で発見されてもおかしくない状況です。
 特にソメイヨシノへの被害が甚大で、拡大を防がなければ近い将来お花見ができなくなるとお話がありました。また発見した場合の対処の具体的な説明がありました。
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 きのこは、参加の皆さんと一緒に探しながらの観察でした。特にお子様は見つけるのが早く、松毬に発生した「マツカサキノコモドキ」や「ニセマツカサシメジ」を先生の元へ何度も運んでくれました。先生から「毎年松ぼっくりがいっぱい落ちてそのままだったら、地面が松ぼっくりだらけで歩けなくなるでしょう?いつのまにかなくなってるのは、きのこが松ぼっくりを土に戻してくれているからなんです。だから草も生えるし、虫が暮らすこともできるんですよ。」と、きのこの還元者としての役割について誰でもわかるよう説明がありました。
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 そして、きのこの意外な一面?「きのこ染め」の紹介もありました。
 写真(上)は御苑でも発生するコツブタケ(写真中)を使った、絞り染めのハンカチです。これを見て、まさかきのこで染めたと思う方は少ないでしょう。実際にきのこ染めをされている方は少なく、貴重なものでもあるそうです。
 どのきのこでもできるわけではなく、コツブタケは染めに向いた種で、きのこが変われば色も変わるとのこと。先生は普段から様々なきのこ染めを身に着けておらるそうです(写真下:先生のマフラーもきのこ染め)。食べる以外のきのこの楽しみ方に、参加の皆さんも関心の幅が広がった様子でした。

 他、野鳥では冬鳥として御苑に出現する「アオバト」等のハトについて、植物ではモミジ、イチョウ、カツラ等の紅葉、黄葉について、昆虫ではアオバズクの食痕や昆虫の名前の調べ方について等も解説されました。「京都御苑自然教室」は春夏秋冬、一年に4回開催しています。詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせしています。初心者向きの自然観察会ですので、お気軽に参加下さい。


 

 

 

 

 

  

 

 

 


 

開催報告・レポート 2018年8月10日 11:36

夏のトンボ池一般公開

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 8月3日(金)~5日(日)、夏のトンボ池一般公開が行われました。期間中の京都市の予想最高気温は38℃以上と相変わらずの猛暑でしたが、四方を樹木に囲まれたトンボ池周辺は街中より涼しく感じられました。
 5月に行われた新緑のトンボ池一般公開からのリピーターや、夏休み中の子ども達の参加で賑わった3日間でした。
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 多くの生きものを観察していただけるよう、トンボ池ではスタッフが生きものの居場所をある程度事前に調査していますが、来場者が珍しい生きものを発見される事もあります。公開初日には、お子さまが大きなテントウムシを受付テントに持ち込まれました。
 調べると、「ハラグロオオテントウ」と判明。体長は1円玉の半分位でしょうか。ナミテントウの2倍近くあるかもしれません。
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 そして名前の通り、腹側は黒色でした。それにしても「腹黒」とは、少しかわいそうな名前ですね。トンボ池では初観察の種として記録されました。
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 2日目も大物が現れました。体長11㎝はあろうかというどっしりとしたメスのモリアオガエルです。トンボ池に出現する成体は6~8㎝程の個体が多く、一目でその特大ぶりを実感できました。また、黒い斑紋が身体の広い範囲に入っています。トンボ池ではほぼ無地に近い個体が多いこともあって、「こんなに大きく、柄の入ったモリアオガエルは珍しいですね。」と多くの方の注目を浴びていました。
 残念ながら3日目はどこかに移動してしまいましたが、トンボ池の観察史上、1,2位を争う大きさであったことは間違いなさそうです。
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 その他、オタマジャクシの尾の名残のある、子ガエルはあちらこちらに。
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 水生生物展示コーナーでは、ヤゴや魚類、オタマジャクシなど様々な生きものを展示。写真はカワニナ(左)とモリアオガエル、ツチガエルのオタマジャクシが同じエサを仲良くシェアしているところ。お子さまが夢中で観察していました。
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 林地では葉に擬態した大きな昆虫を発見。キリギリス?クツワムシ?来場者、スタッフ共々調べた所、サトクダマキモドキとわかりました。バッタの仲間の同定は難しいです。
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 夏休みの自由研究?熱心に2人の講師に質問する姿も。素晴らしい研究成果が期待できそうですね。
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 次回公開は来年度、新緑の時期を予定しています。詳細は決定次第お知らせ致します。

   




 


 


 

 

 

 


 

開催報告・レポート 2018年7月29日 14:00

夏の自然教室

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 7月22日(日)、御苑南西の閑院宮邸跡前集合で夏の自然教室が開催されました。連日の猛暑で当日も気温が上昇しましたが、参加者の皆様には水分や休憩を適宜取っていただきながら、夏の昆虫、きのこ、野鳥、植物の観察を楽しみました。
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 今回の植物は「知っているようで知らない樹木の果実」というテーマでトチノキ等の実を観察しました。トチノキは春、円錐状に白く小さな花をたくさんつけますが、その数に対して果実はわずかしかできません。その理由は何なのでしょう?
 円錐状の花序のうち、将来果実になる両性花(雄しべと雌しべ、両方を備えた花)は下の方に少しあるだけで、上の方にあるのは雌しべが退化した雄花です。蜜を求めて訪れるハチは、花序の下部から上部へと順に移動し、てっぺんに達すると飛び立ちます。こうして花粉を身につけたハチが他の花(花序)へ移り、同じ行動を繰り返す事で受粉が行われる仕組みです。
「ハチの動きを考えるとこの花の構造は、違う花の花粉を確実に受粉するため工夫されたものなのでしょう。」とのことでした。
(写真上:【参考】春に開花したトチノキ)
(写真中:花序の下の方に数個だけ結実した現在のトチノキ)
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 昆虫では危険な生きもの、特にハチからどのように身を守るかというテーマです。野外観察で「ハチを刺激する黒色の服装は避けるべき」と言われる理由や、ハチに遭遇した場合にとるべき行動について具体的に解説してくださいました。
「ハチを手で払う行為は、ハチからは攻撃と見なされかえって危険なので静かにその場から離れるように。また刺された時に現れる症状は人により異なるので、自分で判断せず早急に病院を受診する事が大切です。」というお話でした。
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 ちょうどエノキのウロにミツバチが営巣しており、出入りする様子をフィールドスコープで観察することができました。
 

 「京都御苑自然教室」は春夏秋冬、一年に4回開催しています。詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせしています。初心者向きの自然観察会ですので、お気軽に参加下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開催報告・レポート 2018年5月30日 17:17

新緑のトンボ池一般公開

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 5月25日(金)~27日(日)、新緑のトンボ池一般公開が行われました。開門前から多くの方がお待ちになられ、毎年の公開を皆様が楽しみにされている事を実感しました。
 3日間合計でのべ673名の入場があり、普段は閉鎖されているトンボ池周辺の自然を楽しみました。
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 池の上部に張り出した枝に、白い泡状の塊が所々見られます。これがモリアオガエルの卵塊(らんかい)で、中で卵がオタマジャクシになった後、雨の力などを借りて池の中に落ちていきます。
 初めてお越しになられたという女性は、「最初は巨大なカマキリの卵かと思いました。カエルの卵は水中にあるものと思い込んでいたので驚きです。確実に水の中に落ちる位置に産卵しているのがすごいですね。」と感心しておられました。
 今年は卵塊の数が多い印象です。順調に行けば多くのオタマジャクシが誕生するでしょう。夏の公開時には、変態したたくさんの子ガエルに出会えるかもしれません。
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 初日にはなかなか見られなかった成体のモリアオガエルでしたが、2日目、3日目と数か所に出現しました。皆さんが見守る中、場所を移動しようとした1匹のモリアオガエル。付近の細い草を掴んだ瞬間、バランスを崩しくるっと裏返ってしまいました。それでも落ちずに、器用に態勢を保っています。これも発達した指先の吸盤のおかげなのでしょう。
 その場にいた男性は、「滅多に見られないモリアオガエルの腹側を観察でき、面白い写真が撮れました。3日間通った甲斐がありました。」と嬉しそうに話しておられました。
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 その他、池の東では羽化してまもないオオシオカラトンボをお子様が発見しました。抜け殻が身体の正面にあるのがわかります。翅がしっかり安定するまで、見守るように観察しました。
 また、実体顕微鏡コーナーも人気でした。金属光沢が美しい、タマムシの翅を拡大して見たり、落ちていたアオスジアゲハの翅をお子様が持ち込んで、積極的に観察を楽しんでいました。
 

~夏のトンボ池一般公開~
8月3日(金)、4日(土)、5日(日)  9:30~12:00

詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせ致します。

 

 


 

 

 

2019年10月

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