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2007/11/22

ようこそ!冬の鳥アトリ

Photo_3  京都御苑では越冬のために遠い繁殖地からやってきて、春には再び北の国へ帰っていく冬鳥たちの姿を見ることができます。出水の小川ではジョウビタキやツグミ,シロハラなどがよくあらわれますが、アトリもここがお気に入りの常連さんです。 アトリはユーラシア大陸北部の針葉樹林帯で繁殖し、日本海側の町に訪れてから日本全土へと散っていくそうです。 ときには山が揺れんばかり、空も暗くなるほどの大群で飛行移動するそうですよ。
 アトリの体長はスズメよりもやや大きめで16cmほど、三角形のとんがり頭で翼は落ち葉にまぎれてしまう黄かっ色と黒,白のボーダー柄。メスや、冬のオスの頭は灰かっ色になります。山の雑木林をしばらくのすみかとし、昆虫や果実などいろんなものを食べているようです。「キョキョキョ・・・」「ジュイーン」と声がしたら近くにアトリの群れがいるかもしれませんよ。ほかの冬鳥たちよりものんびりやさんなのでしょうか、繁殖地へ帰るのがおそく冬が過ぎ春がやってきてぽかぽかになった5月ごろまでその姿をみることができます。

 古くから人々に親しまれていたのでしょう、日本書記には欽明天皇の第3子に臘嘴鳥(あとり)皇子という親王がいらっしゃったと記されています。万葉集20巻には防人たちが詠んだ歌を大伴家持の手によって集約されており、家族が遠く離ればなれに暮らす不安や悲しさ、お互いの無事を祈りあう想いが歌われています。その中で刑部虫麻呂(おさかべのむしまろ)が詠んだ歌にはアトリをはじめいくつかの冬鳥たちが登場していますよ。

国巡る あとりかまけり行き廻り 

            帰り来までに齋(いは)ひて待てね

(国をめぐる渡り鳥アトリ、カモもケリもかならず故郷へ帰ってくる 帰ってくるその日まで、どうか神に無事を祈って待っていておくれ )